2021年04月4日 |ブログ
先日、ご縁あって、臓器提供をしないという決断をなされたKさんとお会いし、お話をお聞きする機会を得ました。
三時間ほど、お話させていただきましたが、非常に有意義な時間となりました。
臓器提供をするということは、美談にされ、『善』であると捉えられがちです。
しかし、私自身は、そうではないと考えています。
かりに、臓器提供をすることが『善』と仮定されれば、提供をしないことが『悪』となってしまう危険をはらむからです。決してそうではないのです。
提供しないという決断も、提供するという決断も、どちらも、尊重されるべきです。
どちらを決断しても、その後の苦しみにはかわりはありません。
「これで本当によかったのか」と、長い期間にわたって悩み、苦しむのではないでしょか。
臓器提供について、家族の中で意見が分かれ、その後の関係性に大きく影響を与えることがあります。
本来であれば、支え合うことができる家族に溝を与え、大切な人を失った悲しみを抱えて生きることをより困難にしてしまう。
本当に悲しい現実です。
苦しみや悲しみ、迷いや後悔を見ないようにして、心に蓋をして、生活していくことは、決して容易いことではないでしょう。
臓器提供をしないという決断をされた方の声を聞かせてほしい。
そして、寄り添える場を作りたい。
Kさんにお会いして、そう思いました。
ぜひ、みなさまの声をきかせてください。
2021年03月19日 |ブログ
今年の一月末から、日本臓器移植ネットワークによるドナー家族のアンケート調査が行われました。
私は、家族ケア部会の一員として、アンケートの作成にかかわっておりました。力不足ではありましたが、少しでもお役に立てるよう努めさせていただきました。
あの日のことを思い出すことは、やはりつらく、悲しいものであり、作成にかかわった私自身でも、その返答にひどく時間がかかりました。
今回のアンケートで悲しい思いや、つらい思いをされている方もみえると思います。
ドナー家族の皆様にご負担をおかけする調査であることは、十分承知のことであり、ドナー家族への支援の重要性をたくさんの人が感じているからこそ行われた調査です。
これを機会にドナー家族への支援がより良いものになると信じています。
アンケート調査の最終の締め切りは、三月の十二日でしたが、遅くなってもかまいませんので、お気持ちが整うタイミングでご返送くださいませ。
2021年03月16日 |お知らせ
現在、ホームページの会員募集について、ご周知いただきたいことがあります。
当法人の会員募集は、その法人の趣旨に賛同し、会費を支払い、総会にて議案を提出したり、議決に参加したりする人である社員の募集ではありません。
会員の皆様には、家族会の開催、定期的なメールマガジンの配信を予定しています。
しかし、コロナ禍にあり、人と人が集まること、県をまたいでの移動を制限している状況であり、家族の会を開催しておりませんので、ご了承下さい。
ドナー家族の皆様が今、どのような思いで過ごされているのか、何を求めているのか、皆様の声をメールで聞かせてくださいませ。
どうぞ、お気軽にご連絡ください。
1999年医療系短大卒業、看護師として総合病院や社会福祉協議会などに勤務しながら、私生活では結婚、二児の母となる。 数年前に夫がドナーとなり、ドナー家族となる。通信制大学に編入し、学びを深め、社会の変化による悲嘆の癒しにくい現状、日本の移植医療、ドナー家族の現状を知り、臓器移植ドナー家族の会の設立に至る。