ブログ

2021年05月16日ブログ

アンケート調査の集計結果について

2021年1月末より日本臓器移植ネットワークによって実施されていました「臓器提供に関するアンケート調査」の集計結果がまとまり、4月7日に日本臓器移植ネットワークのホームページに掲載されました。

 

『臓器提供をされた方のご家族に対する調査』の集計結果について (jotnw.or.jp)

 

 

たくさんのドナー家族がこの調査に協力され、調査には様々な思いがあらわれています。

また、この調査には、自由記載があり、提供をされた家族の声が聞こえてきます。そのひとつひとつが苦しく、悲しく、私自身の思いと重なり、読み進めることが難しくなるくらいでした。

 

「今さら提供しなかったらよかったなんて思いたくない、納得するしかない」

「決断は死を認め、死期を決めること」など、家族の葛藤が非常に深く、精神的な負担が大きいと感じました。

 

そして、提供施設での医療従事者の対応に傷つかれた方、社会の理解のなさを感じている方の声がありました。

 

私は提供施設で大変よくしていただき、不快な思いをしたことも、傷ついたこともありませんが、社会の理解のなさは感じることがあります。

何度か「夫は臓器提供をしたんです」と話をしたことがありますが、たいていの方は「へぇ、そうなんだ」と言い、その後に続く言葉を見つけられないようで、ひどく困らせてしまうのです。(ピンとこないという表現が一番いいのかもしれません)

一度、「いくらか(お金が)もらえるんでしょ」と言われました。私達の決断は、金銭の授与が目的、対価として捉えられるのかと非常に傷つき、以来、臓器移植について友人や知人に話すことはしなくなりました。

 

社会の理解を進めるには、まずは私の身近な人たちに知ってもらうことが一番いいのかもしれません。私の傷がもう少し癒えるまで、また身近な人たちに語る勇気を持つことができるようになるまで、もう少し時間をいただきたく思います。

 

ドナー家族が悲しみと苦しみの中で決断し、その後も様々な葛藤を抱えて、必死に生きていることが、理解される社会となることを心から願い、そしてその一助となるよう尽力していきたいと思います。

カテゴリー

アーカイブ

最近の投稿

profile

くすのきの会 代表米山 順子

くすのきの会 代表
米山 順子

twitter

1999年医療系短大卒業、看護師として総合病院や社会福祉協議会などに勤務しながら、私生活では結婚、二児の母となる。 数年前に夫がドナーとなり、ドナー家族となる。通信制大学に編入し、学びを深め、社会の変化による悲嘆の癒しにくい現状、日本の移植医療、ドナー家族の現状を知り、臓器移植ドナー家族の会の設立に至る。

このページの先頭へ戻る